水曜日, 9月 26, 2007

言葉なしで心を通わせる男女の姿を描いたフランスの佳作「明るい瞳」が、サラリーマンの癒やし映画として、じわり人気を呼んでいる。
 主役は、同居する兄夫婦とうまくコミュニケーションがとれず、“社会のはみ出し者”とされる30歳くらいの女性、ファニー。家を飛び出した彼女は、旅先で出会った異国後を話す男性と心を通わせていく。
 「人は言葉に頼りすぎている」と熱く語るのは、ポスト・ゴダールの呼び声高いフランス映画界の新星、ジェローム・ボネル監督(30)=写真。
 28歳の若さで本作を撮り上げた監督は、その試みを、「言葉は嘘をつく最高のツールでもあるし、容易に人を傷つける危険性もはらんでいる。共通の言語を話せるのに心は通じ合えない。一方で、違う言語を話すのに、心は通じ合うという2つの人間関係を描くことで、言葉がなくても繋がれるのが理想の社会だと伝えたかった」と説明する。
 男女が言葉を交わさずに互いを理解し合い、惹かれていく過程はもちろん、「音楽も台詞も少なく、静かでゆったりとした作風が、穏やかな気持ちにさせてくれると、予想以上に年配のサラリーマンの方に好評なんです」と配給スタッフ。  チャプリンの喜劇映画にオマージュを捧げたユニークな描写もある。
 「僕にとって、映画といえばチャプリン。子供の頃は、彼の映画ばかり観ていたし、誰より尊敬している」という監督。ファニーが10脚以上の椅子を一度に抱えるシーンは「チャップリンの道具方」(1916年)から、ドライブインで隣の人のパイを何食わぬ顔で盗み食いするシーンは「犬の生活」(18年)からヒントを得た。面倒くさい会社の人間関係もうるさい妻の小言も全部忘れて、劇場で安らげるひと時を味わってみてはいかが。
 東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムなどで公開中。10月13日から大阪・十三の第七藝術劇場など順次全国公開。
ZAKZAK 2007/09/25

映画って国のカラーでますよね